船旅

へっぽこ櫻井くんヲタの野望

Hip Pop Boogie chapterⅡ

 

夜の帳も下りてきて、ライブも終盤。

それまでとにかく叫んで飛んで暴れていた私は、突如身動きが取れなくなってしまった。

その原因はARASHI BLAST in Miyagiにおける櫻井翔のソロである。

 

君たちとなら歩いてく

栄光へとただマイペース

磨いてる 未だ磨いてる

咲いてる花たち抱いてる

 

 フードをかぶり、マイクを握りしめ、真っ暗なステージ眩い白いライト。

一筋の光を浴び、言葉を紡いでいく。

 

2007年以降に発表されたソロ曲を歌うと宣言されたライブ序盤から、ずっと翔さんの出番を今か今かと待っていた。

満を持してのHip Pop Boogie しかもchapterⅡ

言葉を失うとはこのことか。

ステージに焼き付けられたその姿に目も耳も言葉も心ごと奪われてしまった。

 

 

嵐は上り詰めるところまで上り詰めたのではないかと言う人がいる。

ロケに行けばファンでない人たちも名前を呼んで握手を求め、ファンは泣き崩れる。

CDもDVDも出せば1位。コンサートチケットはブレイクして7年経ってもまだ入手困難。

後輩たちも続々と出てきて、先輩として後輩の背中を押す場面も格段に増えた。

 

「Hip Pop Boogie」が提示されてから7年。

無印はどちらかというと攻撃的で、猛々しく、掴んでいるものを振り落すような荒々しさがあったように思う。

それがchapterⅡになり、翔さんは立ち止まって周りを見ているような気がした。

9歳だった嵐は16歳になり、26歳だった翔さんは33歳になった。

大人と呼ぶにふさわしい年齢になった彼は、chapterⅡと称した愛を歌った。 

 

道なき道を歩いてく

迎合せずただマイペース

いま言えるいまならば言える

蒔いてた種たち咲いてく

という部分は

君たちとなら歩いてく

栄光へとまだマイペース

磨いてる 未だ磨いてる

咲いてる花たち抱いてる

と姿を変える。

 

我が道を突き進んでいた彼が立ち止まり、たくさんの選択肢を持ちながらもアイドルという仕事を選びつつけようという宣言する。私たちと共に歩んでくれることを歌う。

咲いた花たちを咲いたからと目を離してしまうのではなく、また踏み潰すようなこともなく慈しむ。

私たちが目にしているのはゴールした櫻井翔ではない。

その瞳はさらに上を見つめている。穏やかに、それでも強く。

 

大卒のアイドルがタイトルを奪い取る

マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る

 まさに嵐のような勢いを持っていた部分は

大卒のアイドルがタイトルを奪い取る

辛い夜も暗い夜もタイトルを奪い取る

弱さを隠さずに、それでも変わりなく戦い続けることを誓うようになった。

 

 

年齢的なものもあってか「丸くなった」と言われることも増えた翔さん。

chapterⅡを歌う中で印象的な場面があった。

こんな景色はみんなのおかげ

ここまで連れてきてくれるなんて

ここを歌う際、花道横の客席を手で示すようにしていた。

この動作を見て昨年のTHE DIGITALIANツアー東京公演での翔さんの挨拶を思い出した。

この時に会場を指さしていた動作と同じだった。

翔さんは私たちをけして置き去りにしない。

努力しているのは本人なのに、”辛い夜も暗い夜も”階段を上り続けているのは本人なのに。

それでもファンのおかげだと歌う。

そんなのはこっちの台詞だ。

言葉を失うような美しいライトの海も、息を呑むような記録の数々も、櫻井翔が、嵐が戦い続けているおかげで見ることができている。

触れればこちらが怪我をするような鋭さを持っていた青年は、限りない優しさで私たちを包むようになった。

 

しかし、それだけでは終わらない。

それだけにとどまる人ではない。

きっとずっと 一方通行
立ち止まればすぐ一生終了
苛立つ 暇なく 舌出す 光らす
本業の方置いて次向かう

さすがとしか言いようがない。舌を巻くぐらいしか私たちには許されないのだ。

聴いている人の心臓を擽るような、ふつふつと血を沸かせるような言葉の数々。

彼の剣は優しさで切れ味が鈍るようなものではない。分かっていたのに改めて思い知らされた。

その瞳は新しいステージを見据えている。

顔をしかめている本業の方々に気を留めている暇なんてない。

 

何か夢があると思わないかい?

こんな大の大人が

大きな夢描いたり 願いたい未来また描いたり

大の大人と言えるようになった今、そんな年齢も悪くないだろうと言わんばかりだ。

翔さんは櫻井翔としての芯はけしてブレさせないまま、増えた荷物を抱き込んでまた次の荒野へと歩んでいく。

私たちはその目撃者となる。こんなに幸せなこと、他にあるのだろうか。

 

星が瞬く夜空を力強く指さしていた姿が瞼の裏に焼き付いて離れない。

翔さんを追いかけはじめてから、驚いたり胸を震わせたりするようなことばかりだ。

声を大にして言いたい。櫻井翔はかっこよすぎる、と。

わりと本気で世界中が惚れるのではないかと思っている。おたくの欲目だろうか。

 

さて。

辺りを巻き込んでいたlyrical idolが、さらに嵐を巻き起こすと言う。

その瞬間のために、私はお腹を空かして待っていることにしようと思う。

 10月21日が待ち遠しい。

 

 

メモ。

Hip Pop Boogie chapterⅡ - Privatter

※私の記憶とツイッタ―のレポを繋ぎ合わせて、相棒ちゃんに間違いさがしをしてもらった自分用メモ。

もし間違っていそうなところがあったらご一報くださると嬉しいです。